化学物質管理

考え方

化学物質は、生活を便利で快適にする上で欠かせないものですが、適切な管理を怠ったり事故が起きた場合、人々の健康や生態系に大きな影響を与えるおそれがあります。ダイセキグループでは、関連法規の遵守はもちろん、独自の基準に基づき、製品の開発から使用・廃棄までの各段階で、化学物質の安全管理を推進しています。

化学物質管理

ダイセキは環境方針に基づき、環境負荷の低減と環境汚染の防止に努めています。また毒物及び劇物取締法に基づき「毒物劇物取扱規程」を定め、毒物や劇物の不正利用や従業員の健康や安全への被害を防止しています。

各ステップの取り組み

各ステップの取り組み

① 廃棄物及び原料の回収
廃棄物及び原料中の化学物質の把握
回収する産業廃棄物及び使用済み油に含まれる化学物質は事前に取引先からWDS等の情報を入手して把握することとしています。また、廃棄物の収集運搬車両に「イエローカード」を配備して、緊急時の処理方法等の情報を社員に提供しています。

② 処理・生産
1.PRTR対象物質
産業廃棄物の処理に使用する燃料や薬剤については、SDSを入手することで燃料や薬剤中に含まれる化学物質を管理しています。また、化管法※1のPRTR対象物質については適正な届出と排出量の管理を徹底しています。2022年度のPRTR対象物質排出量は1.6万t、PRTR対象物質移動量は9.0万tでした。

※1 化管法 「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」の略称。

  • PRTR対象物質の排出量の推移

    PRTR対象物質の排出量の推移

  • PRTR対象物質の移動量の推移

    PRTR対象物質の移動量の推移

窒素酸化物(NOx)・硫黄酸化物(SOx)・ばいじん排出量の推移

窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、
ばいじんの排出量の推移

※測定値が定量下限値未満の場合は、定量下限値を測定値と見なして算出しています。

2.大気汚染物質(NOx,SOx)
当社は窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、ばいじん等の大気汚染につながる化学物質の排出量削減に取り組んでいます。当社が保有している大気汚染防止法に関係するばい煙発生施設は廃油の処理工程にて使用する小型ボイラー及び一部の事業所で保有している汚泥の乾燥処理施設です。
各事業所で大気汚染防止法や自治体の条例に則り、毎年NOx、SOx、ばいじんの排出量測定を実施しており、全事業所で基準値以下となっています。また、一部の事業所ではボイラー燃料を都市ガスやプロパンガスなどの気体燃料に切り替えることでSOx及びばいじんの排出量の削減に取り組んでいます。

3.水質汚濁対策(BOD※1,COD※2
水質汚濁防止法に係る規制の中でBODとCODという排水基準がありダイセキグループはこれらの規制を遵守しています。さらに、一部の事業所では法令が定める排水基準を上回る社内基準を設定することで、より厳しい水準で排水の管理を行っています。

  • ※1.BOD(Biochemical Oxygen Demand:生物化学的酸素要求量)
    好気性微生物によって有機物が分解されるときに消費される酸素の量を示します。最も広く使われている汚濁の指標で、BODが高いと悪臭の発生などが現れはじめます。
  • ※2.COD(Chemical Oxygen Demand:化学的酸素要求量):水の汚れを表す指標のひとつで、水中の有機物を酸化して分解するために消費される酸素量。
  • BOD排出量の推移

    BOD排出量の推移

    ※測定値が定量下限値未満の場合は、定量下限値を測定値と見なして算出しています。

  • COD排出量の推移

    COD排出量の推移

    ※測定値が定量下限値未満の場合は、定量下限値を測定値と見なして算出しています。

③使用・処理
リサイクル資源等に含まれる成分情報の提供
ダイセキグループが製造・販売しているリサイクル製品について事業所ごとにSDS※3を作成し、販売先へ情報提供を行っています。一方で、ダイセキがリサイクルしたセメント原料の出荷先やダイセキが排出する埋立・焼却物の処理委託先には、契約した基準値に適合する成分に調整し、WDS※4を用いてその情報を伝達しています。

  • ※3.SDS Safety Data Sheetの略。化学物質による事故を未然に防ぐ目的で、化学製品の環境に対する影響や安全性、取り扱い方法等を記載したもの。
  • ※4.WDS Waste Data Sheetの略。排出事業者の委託する産業廃棄物が適正に処理されるために記載するもの。廃掃法では、廃棄物の性状等に関する情報を排出事業者から処理業者へ提供することが求められている。環境省はその情報提供時にWDSを使うことを推奨している。