価値創造プロセス

統合報告書2025

ダイセキの価値創造プロセス

  • ・カーボンニュートラル政策の転換
  • ・サーキュラーエコノミーへの期待の高まり
  • ・国内製造業の停滞・空洞化
  • ・為替の円安ドル高水準の常態化
  • ・他分野・異分野連携によるイノベーション創出への期待の増大
  • ・サステナビリティ関連技術への需要の増大と複雑化・高難度化
外部環境
 
人的資本
次世代の
経営者候補となる
自律した人財
社会関係資本
製造業や建設業等を
支える幅広く強固な
顧客基盤
知的資本
最先端をはじめ
多様なニーズに
応える技術力
製造資本
大量の廃棄物を
迅速・確実に
処理できる設備
自然資本

省資源・省エネルギーでリサイクル

環境保全の取り組み

生物多様性

財務資本

健全な財務体質

IR情報

成長を支える資本
経営理念に基づくビジネスモデル

資源の「使えない」を「使える」に変える、ダイセキのビジネスモデル

バリューチェーンにおける強みと提供価値

強みを生み出すダイセキのユニークネス

  • 経営理念
  • ガバナンス
  • マテリアリティ
価値創造の基盤

「オールダイセキ」を支える5つの強み

アウトプット
  • 再生燃料

    再生燃料

  • セメント原料

    セメント原料

  • 有用金属等

    有用金属等

  • 再生鉛

    再生鉛

  • タンク洗浄

    タンク洗浄

  • 石膏ボード原料

    石膏ボード原料

  • バイオディーゼル燃料

    バイオディーゼル燃料

  • 再生紙

    再生紙

アウトカム

経済的価値
長期経営ビジョン VISION2030

売上高・・・1,500億円
営業利益・・250億円
ROE・・・・15.0%

社会的価値

  • 環境汚染の防止

    産業と地域の
    環境保全・環境創造

  • 気候変動の抑制

    製造業の
    カーボンニュートラルの支援

  • 国内製造業の活性化
    経済安全保障の確保

    資源循環による
    サーキュラーエコノミーへの貢献

成長を支える資本

ダイセキには、「オールダイセキ」で社会を支え、資源を活かすビジネスモデルを創造していく基盤となる資本があります。そのビジネスモデルを強化するため、積極的に人的資本と知的資本へ投資を行います。

社会関係資本 ー 「オールダイセキ」の土台となる資本

業界トップレベルの顧客基盤は、ダイセキの大きな資本です。製造業や建設業など多くの各業種と取引があり、サーキュラーエコノミー実現のベースとなっています。産業廃棄物を受け入れて、リサイクル製品への加工販売を行う「上流から下流まで」のサービスを提供するダイセキならではの顧客基盤です。幅広い顧客とつながることで、より最適な提案ができます。信頼関係は厚く、取引先や協力会社から顧客を紹介されるケースも少なくありません。

製造資本 ー 産業の生産活動をハード面で支える

ダイセキは、全国展開の拠点と十分な規模の廃棄物処理施設を備えています。産業廃棄物の排出事業者が産廃処理業者を選ぶ際には、廃掃法に基づく許可と処理施設を有することは当然ながら、大量の産業廃棄物を迅速に処理できる設備が整っているかという点も評価されます。ダイセキには、大規模な排出事業者が抱える処理ニーズにも十分応えられる製造資本があり、回収した廃棄物を資源として循環させています。

人的資本 ー ダイセキの技術力と提案力を生み出す

各種資本を活用するには「人」の力が必要です。ダイセキでは、技術力と提案力の源泉となる人的資本を重視しています。幹部候補を対象にファイナンスを含むマネジメント研修の実施や、事業所長に独立採算のもとで事業所の経営を任せる等、経営者候補となる自律した人財を育成しています。新規事業開発には社内の担当者に加え、社外からノウハウを持つ専門家を招聘し検討を進めています。また、今後のイノベーションを推進するために、多様な人財が活躍できる職場の整備にも力を入れています。

知的資本 ー 「知恵と工夫と行動力」を体現

ダイセキは、廃棄物をゴミではなく資源として捉えています。廃掃法上は産業廃棄物は37種類に区分されていますが、同じ種類の廃棄物でも、実際は性状、顧客の要求、その後の用途等に合わせて最適な処理を行う必要があります。環境意識の高い顧客の様々なニーズに応えるサービスを構築し、環境負荷を抑えながらリサイクルする技術力とノウハウを蓄積してきました。ダイセキはこのような廃棄物と向き合う姿勢も含め、「イノベーションを生み出すDNA」として、知的資本を重視しています。

バリューチェーンにおける強みと提供価値

私たちは社会から求められる環境価値を提供するために、廃棄物処理とリサイクルの分野において、「オールダイセキ」で事業活動を展開しています。これにより顧客の幅広いニーズに一貫した対応を行いながら、環境創造のあらゆるステップで収益を生み出しています。

商談・分析

丁寧なヒアリングと分析・評価により、顧客の潜在的なニーズを引き出しながら、産廃処理やリサイクル製品利用時の環境課題を抽出します。

強み

豊富なノウハウと技術力、幅広いニーズへの提案力

  • 幅広い顧客からの多様な廃棄物等対応実績・ノウハウの蓄積
  • 専門的な分析機器とスタッフの配備
  • 「オールダイセキ」で関連業務も含めたワンストップサービスが提案可能

生み出す価値

幅広い事業領域と多様な収益源

  • 様々な業種の顧客の環境課題の解決を支援し安定的な収益構造を実現
  • 産廃処理の技術力とノウハウを活かし、顧客の課題を迅速に解決
  • 廃掃法に基づく契約等も含め、顧客の法令順守を適切にサポート

課題

 

  • カーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーの需要の取り込み
  • グループ連携営業をさらに深め、顧客の利便性を向上

収集運搬

廃掃法等の法令を遵守しながら、顧客の要求に応えられるように、確実かつ安全な収集運搬を行います。

強み

全国ネットワークを形成。専用大型車両と専門スタッフによる迅速で確実な収集運搬

  • 45都府県の産業廃棄物収集運搬業許可証を取得済み。緊急時も対応可能
  • 廃棄物運搬に特化した大型車両を多数保有し、多くの協力会社と連携
  • 運転と廃棄物引取に関する社内基準をクリアした専門スタッフが対応

生み出す価値

平時・災害時における顧客からの強固な信頼

  • 安定したサービス提供で顧客の安定操業に貢献
  • 長年廃掃法を始めとする環境法令を遵守し、顧客の信頼を獲得
  • 地震や台風等の災害の罹災企業が短期間で復旧できるよう支援

課題

 

  • 社員の安全と顧客の信頼を獲得するための安全性強化
  • 物流業界の人手不足などの状況も踏まえた専門スタッフの質・量の確保

中間処理

廃棄物等を性状や化学的性質に合わせ、中間処理施設で安全・確実な無害化・減量化とCO2削減に貢献します。

強み

製造資本と技術力を活用した処理量と品目数は業界トップクラス、顧客のCO2削減にも貢献

  • 大規模な活性汚泥施設の運用
  • 処理難度の高い廃液を組合せて処理しやすくする独自の複合処理
  • 環境法令に基づく確実な適正処理
  • CO2排出量が少ない処理技術

生み出す価値

安全・低コストで環境保全とCO2削減を実現

  • 技術力に裏付けされた安全性
  • 独自技術で低コストの処理を実現
  • 優良産廃処理事業者の信頼感
  • CO2排出量が少ない処理技術

課題

 

  • 社員の安全と顧客の信頼を獲得するための安全性強化
  • 中間処理コストの低減

再資源化・製品化

顧客の廃棄物等を加工し、リサイクル製品を製造します。バージン材の代替となるリサイクル製品を販売することで、資源枯渇の防止に貢献します。

強み

環境保全と経済性の両立を実現。環境創造への使命感を持つスタッフも強み

  • 環境保全と経済性を両立するビジネスモデル
  • 全国平均54.2%(令和4年度実績・環境省)を上回るリサイクル率
  • リサイクル製品の製造や販売に意欲的に取り組む社員の使命感

生み出す価値

経済的な資源循環とサーキュラーエコノミーに貢献

  • カスケードリサイクルでバージン材の代替となるリサイクル製品を製造販売し資源枯渇の防止に貢献
  • マテリアルリサイクルのビジネスを推進することでサーキュラーエコノミーに貢献

課題

 

  • カスケードリサイクルのさらなる効率化
  • マテリアルリサイクルの市場開拓と技術力の獲得

コンサルティング・技術提供

顧客の潜在的なニーズ・環境リスクに対し、ダイセキグループの強みを活かした新たな視点から解決策を提案します。

強み

潜在的な環境課題に先回りする提案力と幅広い顧客基盤

  • CDPのAリスト認定企業としての説得力
  • 「オールダイセキ」のノウハウと技術力
  • サーキュラーエコノミーの実現を後押しする幅広い顧客基盤
  • 多くの提案型人財

生み出す価値

顧客の本質的な課題やニーズに応え、収益性と環境創造を両立

  • 顧客の本質的な課題やニーズを特定したうえで、ダイセキならではの解決策を提案し、顧客価値を創造
  • 新しいビジネスモデルを構築し、環境保全、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーに貢献

課題

 

  • カーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーの需要取り込み
  • 「オールダイセキ」の推進によるノウハウと技術力の獲得

「オールダイセキ」を支える5つの強み

私たちの強みは、資源を活かすビジネスモデルとその基盤となる各種資本にとどまりません。創業から培われてきた「オールダイセキ」の好循環を生み出す強みが、その時ごとに資本効率を最大化し、ビジネスモデルをより優れたものにしてきました。

01
製造業や建設業等を支える幅広く強固な 顧客基盤

幅広い顧客と強固な関係を築いていることは、単に売上を上げやすい・リスクに強いことにとどまらず、資源の再利用の可能性を広げ、環境創造による付加価値を生み出す源泉にもなる、最も重要な強みです。

02
バリューチェーンにおける一貫性

顧客の抱える様々なニーズを最適な方法で解決するために、必要な機能や能力を確保しています。特に、全国の顧客から受注し、廃棄物を収集運搬して、リサイクル処理を行い、リサイクル品として販売まで手掛けることができる一貫性は、私たちが環境創造企業として成長し続けている大きな要因のひとつと言えます。

03
最先端かつ多様なニーズに応える高い技術力

私たちは顧客の最先端のニーズに応える技術力を備えるために、従来の技術だけでなく、新たな技術の獲得に向けた研究開発を進めています。また社員が自主的に「知恵と工夫と行動力」を実践しながら、低コスト化に向けた改善策を提案し実行しています。

04
社内外のプレイヤーを巻き込むアライアンス

私たちは、「オールダイセキ」で顧客や社会のニーズを満たすために、技術力やノウハウを持つ協力会社、企業、大学、専門家等のあらゆるステークホルダーと積極的に協働します。自社のみの短期的な利益にとらわれず、長期的な視点で外部パートナーと協力関係や信頼関係を構築することを重視しています。

05
全社員が一丸となる 使命感の共有

私たちは「発想・構想・構造・実行」の経営理念と「知恵と工夫と行動力」の価値観を受け継いでいます。職種や立場によらず経済合理性を確保した上で社会課題の解決を目指す使命感を共有しています。その使命感を持つ数多くの社員が新規事業に取り組んでいます。